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社会科散策(政治)論述№17-国際法 [政治]

6-1 国際政治①-主権国家,国際法    

1.主権国家
 国家が対外的に独立を保つ権利を❶主権という。この主権の確立している国が独立国(主権国家)である。現在,地球上には,200 近い❷独立国がある。

❶主権には3つの意味がある。
 ①立法権・行政権・司法権を総称する統治権,②国家が対外的に独立を保つ権利,③国の政治のあり方を最終的に決める力または権威の3つ。主権国家という場合の主権は②の意味である

〔研究〕憲法前文第1段の「ここに主権が国民に存することを宣言し」にある主権とはいかなる意味か。 類題(愛光高平成27年度)
〔解答〕国の政治のあり方を最終的に決める力または権威という意味である。

❷世界の独立国家
 外務省の統計によると,196か国(2019年3月現在)。これは,現在,日本が承認している国の数である195か国に日本を加えた数。北朝鮮は国連に加盟しているが日本は承認していない。国連加盟国数は 193カ国。
 国家の主権(統治権‥上記①の意味)が及ぶ範囲を領域といい,領土,領海,領空からなる。海岸から12海里が領海とされ,領土・領海の上空の大気圏内が領空とされている。また,領海の外に排他的経済水域(EEZ)が設定され,海岸から200 海里以内では,その水域の水産資源・地下資源に対する管轄権が沿岸国に認められている。

※無害通行権について 類題(大阪教育大附属池田平成29年度)
 大阪教育大附属池田の問題は,選択問題の選択肢の一つとして問われたものである。中国の公船(軍艦含む)の領海・領空侵犯,接続水域への侵入が最近エスカレートしていることから,領海への無害通行権についても一応の理解は必要であろう。
⇒領海は,沿岸国の主権が及ぶ領域であるが,海上交通の便宜のため,「すべての国の船舶は,他国の領海において無害通行権を有する」(国連海洋法条約17条)という例外規定が存在する。無害通行とは,沿岸国の平和,秩序または安全を害さない通行をいう(同19条1項)。その無害性の判断については,19条2項に無害とはみなされない行為が列挙されている。例えば,武力の威嚇又は行使,軍事演習,情報収集,測量調査,汚染行為,漁獲行為など。また,通行の具体的な方法や沿岸国の権限についても別途規定が置かれている(18条2項,20条,21条,22条,24条,25条,26条)。
 軍艦にも商船と同様な無害通行権が認められるかについては諸国間に対立がみられる。軍艦の領海航行については事前許可を求める国もあるが,欧米先進国は船舶の種類ではなく通行の態様で無害性を判断すべきだとする。
 尚,領空のいわゆる無害飛行権については,1919年のパリ条約・1944年の国際民間航空条約で,各国に国家の排他的主権を認めている(無害飛行権は認められていない)。

2.国際法
 国際社会における国家間のルールが❶国際法で,その基礎を築いたのはオランダの❷グロチウスである。

❶国際法には,国際社会で広く行なわれている慣習を各国が法として認めた国際慣習法と,文書による国家間の約束である条約の2種類がある。
❷グロチウスはオランダの自然法の学者で,その著「諸国民の法」,「海洋自由論」,「戦争と平和の法」が国際法の起源とされている。彼は,「自然法の父」「国際法の父」と呼ばれている。
 しかしながら,国際社会には,各国の上位にたって国際法を実際に強制する権力がなく,国際法の実効性は国内法ほど強いものではない。強いてあげれば国際連合(国連)だが,現在の国連(安保理)は大国の思惑に大きく左右され,その問題解決能力は乏しい。


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