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社会科散策(政治)論述№01-憲法とは [政治]

1 憲法とは何か。
                     
 憲法は❶国の基本法であるとともに❷国民の権利や自由を守るという重要な役割を担っている。従って,憲法に反する法律や命令をつくることは許されず,国の法体系は❸憲法を頂点として形成される。

イギリスでは,「~憲法」という名称をもった法は存在しない。マグナカルタをはじめ,権利章典のような制定法や判例の集積により成立した判例法がイギリスの憲法となっている。
フランス人権宣言は,『すべて権利の保障が確保されず,権力分立が定められていない国家は憲法を有しない』(16条)と規定している。つまり,国家権力を制限して国民の権利や自由(人権)を守ることを目的としない憲法は近代的な憲法ではないと言っている。
憲法の種類
①成文憲法と不文憲法‥成文の法典が存在するか否かの区別。日本やアメリカは成文憲法の国であるのに対し,イギリスは不文憲法の国。
②硬性憲法と軟性憲法‥通常の法律の改正より手続が厳格か否かによる区別。日本国憲法は硬性憲法。(憲法96条参照)
③欽定憲法と民定憲法‥憲法制定主体による区別。大日本帝国憲法は欽定憲法,日本国憲法は民定憲法。

〔研究〕日本国憲法は大日本帝国憲法の改正手続により制定された。とすると,大日本帝国憲法と同様に欽定憲法ではないのか。
〔解答〕ポツダム宣言の受諾によって日本は天皇主権から国民主権への転換がなされた。従って,日本国憲法は主権者たる国民が制定した民定憲法であり,改正手続によったのは政治的混乱を防止するための便宜に過ぎない(いわゆる8月革命説による説明)。

2 日本国憲法の制定

 ポツダム宣言受諾後,連合国軍総司令部(GHQ)の作成した案(マッカーサー草案)をもとに憲法改正作業が進められた。その改正案は帝国議会で審議され,1946年11月3日に日本国憲法として公布され,翌年5月3日から施行された。
                            
〔研究〕現憲法の制定過程において,日本政府が作成した当初の憲法改正案が総司令部(GHQ)に受け入れられなかったのはなぜか。
〔解答〕政府案(松本案)は,明治憲法と同様に天皇主権を残すなど民主的な憲法とはいえなかったからである。 
(解説)憲法問題調査委員会(いわゆる松本委員会)が起草した憲法改正草案は,大日本帝国憲法の若干の修正にとどまるもので,全面的改変を意図していた総司令部の方針とは相いれなかった。そこで総司令部は,いわゆる「マッカーサー三原則」をもとにみずから草案作成に着手した。
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